大人になってからチェロを始めるあなたへ:強弱記号

こんにちは、つかなむです!

今回は、音楽の基本中の基本——p(ピアノ)と f(フォルテ)などの強弱記号についてお話しします。

でも、ちょっと待ってください。「強い」「弱い」と言ってしまうと、どこか体育会系っぽく感じませんか?
実はこの「強弱」、もっと奥深くて、むしろ“表現の対比”や“空間の広がり”を感じるようなものなのです。


強弱記号ってなに?

楽譜に出てくる「p」や「f」などの記号は、「ダイナミクス(音の強さの変化)」を示すものです。主なものはこちら:

  • p(ピアノ) … 静かに

  • f(フォルテ) … 大きく

  • pp(ピアニッシモ) … とても静かに

  • ff(フォルティッシモ) … とても大きく

  • mp(メゾピアノ) … やや静かに

  • mf(メゾフォルテ) … やや大きく

これらは単なる「音量」だけではなく、音楽のキャラクターを決める大切な要素です。


強弱=「強い/弱い」じゃない?

強弱という言葉に引っ張られがちですが、
本質的には「強い音」「弱い音」というよりも、

  • 動と静

  • 外向きと内向き

  • 開と閉

  • 表と裏

  • 光と影

そんな対比の感覚を持って捉えると、表現がぐっと豊かになります。

たとえば…

  • f(フォルテ)は「前に出る」ようなエネルギーや存在感

  • p(ピアノ)は「引く」力や静けさ、内面の響き

つまり、大きい vs 小さいというより、外向き vs 内向きのイメージなんです。


音量は“相対的なもの”

また、pやfは絶対的な音量ではなく、相対的なものです。
小さなホールと大きなホールでは、同じ「f」でも違って聞こえますし、曲の冒頭と終盤でも印象が変わります。

💡ポイント

  • 「この曲の中でのfって、どんな存在感だろう?」

  • 「このpは、前のfと比べてどう違わせたいのか?」

こうした意識が、演奏の深みをぐっと引き出してくれます。


チェロ演奏でのpとfの工夫

チェロは、弓の圧とスピード、弓の位置(駒寄りか指板寄りか)で、強弱のニュアンスを作り分けられる楽器です。

🎻 f(フォルテ)の弾き方

  • 弓をしっかり乗せて、スピードを保つ

  • 弓の根元〜中間を使うと響きが安定

  • 圧だけでなく、「広がるように」弾く意識が大事

🎻 p(ピアノ)の弾き方

  • 弓を軽く、少し指板寄りで

  • 音がつぶれないように、弓のスピードを保つ

  • 「こっそり語る」ような音色で


pからfへ、fからpへ —— “動き”が音楽を作る

pとfは、対比してこそ生きるものです。
曲の中で、クレッシェンドやデクレッシェンドを使って変化させると、物語性がグッと高まります。

音量が変わることで、

  • 空気感が変わる

  • 聴き手の意識が変わる

  • 感情の流れが見えてくる

そんな“ドラマ”が音楽の魅力ですね。


まとめ

  • 「pとf」は音の大小ではなく、内と外、静と動の表現

  • 強弱は相対的な感覚で捉えると、より自然に表現できる

  • チェロでは弓の使い方で、繊細にニュアンスを描ける

  • 強弱の対比が、音楽に奥行きを与える


楽譜の記号、もっと楽しもう!

「pとfをどう表現しよう?」と考えることで、音楽がグッと楽しくなります。
ただ大きい・小さいではなく、“自分の中にある表と裏”を感じながら演奏してみてくださいね。

それでは、また次回の記事で!

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