こんにちは、つかなむです
今回は「音楽の終止(カデンツ)」についてお話しします。
演奏していると、どこか「終わった!」と感じる瞬間ってありますよね?それがまさに“終止”の力です。音楽の終止には、緊張を作ってから解放するという、感情の流れのようなものがあるんです。
終止(カデンツ)とは?
終止(cadence)とは、フレーズや曲が「終わった」と感じさせる和音の連なりのことです。日本語では「終わりの型」とも言えます。
音楽には「始まり」があれば「終わり」もある。その“終わり”を美しく、自然に、時には劇的に演出するのが終止の役割です。
ドミナント(V)からの解放:緊張と解決
もっとも基本的で強い終止が、ドミナント(V)→トニック(I)の進行です。
- ドミナント(V):緊張・期待を生む和音
- トニック(I):安定・落ち着きの和音
このV→Iの流れは、まさに音楽の「ためて、解き放つ」感覚そのものです。
🎻チェロで感じる例:
例えば、G(ソ)→C(ド)に進むとき、Gの響きは少し“うずうず”する感じがして、Cで「はあ〜っ」と息を吐くような感覚になりませんか?
この緊張と解放のセットが、音楽の流れや感情に自然さを与えています。
主な終止の種類
終止の種類 | 和音進行 | 感じ方の特徴 |
---|---|---|
完全終止(正格終止) | V → I | はっきりと「終わった」感 |
不完全終止 | I → V や IV → V | まだ続きそうな感じ |
変終止(プラガル終止) | IV → I | 柔らかく落ち着いた感じ |
半終止 | 任意 → V | 次への期待を残して終わる |
クラシック音楽でもポップスでも、この「どんな終止にするか」で曲の印象が大きく変わります。
解放の表現としての終止
演奏の中では、この終止の“流れ”を意識することで、ぐっと音楽的になります。
- クレッシェンドでドミナントに向かい、 デクレッシェンドでトニックに解放
- 弓のスピードを上げて緊張感を作り、ゆるめて終わる
- ポジション移動を入れて音の広がりを演出する
ただ和音を並べるのではなく、感情の動きを感じながら弾くと、聴く人にも「音楽の呼吸」が伝わります。
まとめ:終止は“音楽の句読点”
- 終止は音楽の「終わり」を作る大切な構造
- ドミナントからトニックへ進むことで、緊張から解放へと向かう
- 完全終止や変終止など、種類によって印象が異なる
- 演奏では終止の“感情の流れ”を大切に
文章に句読点があるように、音楽にも区切りがあります。終止を意識するだけで、演奏に自然な流れと表情が生まれますよ!
次回もお楽しみに!
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